分子設計した高機能高分子が未来を拓く

機能性高分子研究室

伊藤 雄三 教授/川井 忠智 准教授

分子設計した高機能高分子が未来を拓く

 低炭素社会を目指す中で、高性能EV(電動化自動車)や燃料電池車が、ますます増えつつあります。 高性能EV(電動化自動車)や燃料電池車を支えるモーターの高出力・小型化には、熱の発生の増大が伴うため、その熱を効率よく放熱する、高熱伝導絶縁材料が、強く求められています。 また、高度情報化社会の実現のための電子デバイスの高性能・小型化のためにも、高熱伝導絶縁材料が必要です。この高熱伝導絶縁材料を構成する高分子材料には、高い熱伝導性とともに電気絶縁性が求められますが、高い熱伝導性と電気絶縁性の両立は極めて難しいのが現状です。 本研究室では、厳密な分子構造の設計とナノレベルでの分子配列の制御より、これらを両立する優れた高分子材料を開発しています。

高熱伝導高分子の熱伝導性発現機構の研究

■高熱伝導性と電気絶縁性の両立

 分子設計により、液晶性高熱伝導高分子のナノ・ミクロレベルでの構造を制御し、熱伝導の主体である熱振動(フォノン)の散乱を制御することで、高い熱伝導性と電気絶縁性を両立できることを見いだしています。

液晶構造を導入することで高い熱伝導性を発現させることに成功した

■分子構造と機能性の理論的解析

分子設計により実験的に合成した試料の高熱伝導性や絶縁性などの機能が、なぜ発現されるのか?
理論計算に基づくシミュレーションと比較し、その詳細なメカニズムの解析を行っています。

高い熱伝導性を発現する分子の安定構造をモデル化
安定化モデルを三次元的に配列させ、熱伝導をシミュレートし熱伝導メカニズムを解析

研究から、こんな未来が実現するかも!

  • 身につけていることを忘れてしまう軽量なウエアラブルコンピュータ
  • エネルギー効率に優れたEV用、燃料電池自動車用モーター

研究室紹介