ニーズに応える元素分析技術を創造

環境分析化学研究室

萩原 健太 助教
専門分野:分析化学 材料化学 環境化学

研究室の概要

分析化学の研究は、各種分析手法で物質の化学組成や元素含有量などを測定することはもちろん、「こういう風に分析できれば良いのに」という現場のニーズに応えることも重要な課題としています。 当研究室では社会と時代に合わせた、環境試料や材料・素材の組成や微量元素を定量するための新規分析法の開発に取り組んでいます。

研究テーマ

「携帯型分析機器を用いたオンサイト定量分析法の開発」

いち早く結果を知りたいというニーズに対応するため、携帯型の分析機器で試験所と変わらない精度と感度で元素定量が行える分析システムの開発に取り組んでおります。 これまでに、ハンドヘルド蛍光X線分析装置で土壌や飲料水に含まれる微量な重金属を試料採取現場で簡便に定量できる手法などを開発しています。

「有害元素のスペシエーション分析法の開発」

一部の元素は価数や化学形態によって毒性や化学的性質が大きく異なるものがあります。 例えば、クロムの場合、三価は必須微量元素とされていますが、六価は人体への毒性が非常に大きいことが知られています。 当研究室ではクロマトグラフを用いず、ヒ素やセレン、クロムなどの元素を化学形態別に定量できる低コストな分析法の開発を行っています。

「高感度分析用元素選択性吸着剤の開発」

水中有害元素分析用の吸着剤の開発を行っており、対象物質の化学的性質から、高元素選択性、高濃縮が可能な固相抽出剤の作成を進めています。 オンサイト分析用、スペシエーション分析用、多元素同時分析用、超微量分析用など様々な用途に合った形状や性質の固相抽出剤を開発しています。

「環境試料、材料、考古資料のキャラクタリゼーション」

各種試料前処理法と機器分析を組み合わせて、水や土壌などの環境試料に含まれる有害元素の動態解析や、金属やセラミックスなどの材料・素材の機能発現機構の解明に取り組んでいます。 ハンドヘルド蛍光X線分析装置を用いた、土器や瓦、装飾品などの考古資料の非破壊分析も行っており、考古学の専門家と共に当時の文化の解明を進めています。

研究支援・社会貢献活動

固液試料の元素定量、携帯型分析機器によるオンサイト分析、環境試料・材料のキャラクタリゼーション

研究設備

ハンドヘルド蛍光X線分析装置、原子吸光分析装置、紫外可視分光光度計、固相抽出マニホールドなど

研究シーズ

研究室|設備紹介