食品の”個性”を化学によって解明する

食品化学研究室

飯島 陽子 教授/杉山 健二郎 講師

食品の”個性”を化学によって解明する

 工学院大学の応用化学科では、化学の視点から、「食品」について学ぶことができます。そのため、工学系の大学で取得できることが珍しい資格として、「食品衛生管理者・食品衛生監視員」の資格を取得することができます。また、食品化学研究室(飯島陽子教授,杉山健二郎講師)では、安全でおいしく健康な食品にむけて、「化学のちから」で食品の機能や品質特性に関する研究を行っています。


 食品は、栄養が高かったり、色がカラフルであったり、においが強かったり…と様々な個性を持っており、豊かな食生活の基盤となっています。食品の機能は、一次機能(栄養)、二次機能(嗜好、おいしさ)、三次機能(健康維持)の三つの機能に分類され、様々な機能性成分が個々の食品に含まれています。そして、その機能性成分のほとんどが有機化合物であり、これらの成分組成によって食品の“個性”が決まります。

 本研究室では、食品の機能性成分についてどのような成分が寄与しているのか、機能に関わる成分の特定を行ったり、その組成の違いが食品の品質に及ぼす影響などを調べています。まずは、食品そのものから成分を抽出することから研究がスタートします。

1

 食品から香気成分を抽出して、成分を分離するガスクロマトグラフィの出口で一つ一つの成分のにおいを確認し、食品に寄与する香気成分の特定を行っています。食品の好き嫌いとの関係を調べています。


2

 食品の製造や加工が食品の品質に与える影響、どのような成分がマーカー(製造加工の目印)になるのかを多変量解析によって調べています。

3

 新食品素材である藻類の「スピルリナ」に注目して、新たな機能性成分の探索をおこなっています。


研究から、こんな未来が実現するかも!

  • 食べ物をおいしく食べるための加工調理、保存方法の化学的根拠に基づく提案
  • 伝統食文化の化学に基づく継承
  • 新機能食品の開発

研究室紹介